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VOL. 97

松江大通り商店街振興組合編
松江大通り商店街振興組合
約40店が営業する、地域に根差した商店街

江戸川区のほぼ中央、松江にある松江大通り商店街。都営新宿線「一之江」駅や「船堀」駅、JR「新小岩」駅からバスが頻繁に出ており、首都高速7号線「小松川」ICより約3分と、多方面からアクセスしやすい立地です。
「子どもたちの健全な育成とお年寄りが安心して暮らせる街づくり」を理念に、昭和には毎週日曜に歩行者天国を実施し、アーケードを整備。その後も各種イベントを開催し、地域に根差した商店街として愛されてきました。 今回は「第20回 東京商店街グランプリ」でグランプリを受賞した「3りんしゃグランプリによる街づくり」について、花島素人理事長にお話を伺ってきました。

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    今回お話を伺った花島理事長(右)は、「宝石・時計HANAJIMA」の2代目。2019年、全日本ジュエリーショップ大賞を受賞し、NHKはじめ、宝石、時計の業界を代表して度々メディアに取り上げられる名高い宝飾店です。
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    ここ10年、老朽化したアーケードを撤去し、無電柱化を終え、最新のインフラを完備。スッキリと開放的な街並みへと生まれ変わりました。夜になると特徴的な街路灯が明るく街を浮かび上がらせるのも必見です。
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    毎年11月23日(祝)に地域の名物イベント「3りんしゃグランプリ」が開催される「朝日信用金庫中央支店」前の広場。550人の参加選手が、優勝を目指し熱い戦いを繰り広げました。
30年前、誕生のきっかけは、公園の治安回復

「今から約30年前、商店街にある公園の治安が著しく悪化し、地域の大問題となっていました」と花島理事長。子どもの遊び場だった公園には、いつしか10名ほどの路上生活者が寝泊まりするように。多くの樹木で視界が悪く、噴水で洗濯をするなど、彼らの生活の場となっていました。子どもたちが遊べないばかりか、公園内の通行すら不可能な状況に困った住民たちは、警察や役所に相談しましたが、公園は公共の場で、強制的に追い出すことはできませんでした。そこで当時青年部長だった花島理事長が立ち上がります。
この公園でイベントを開催し、一定期間公園を借り切ることで物理的に居場所をなくして一掃することに成功。これが、『3りんしゃグランプリ』の誕生した瞬間です。「三輪車は誰でも一度は乗ったことがあり、小さな子どもは小回りが効くが体力がなく、大きな子どもは小さな三輪車は漕ぎにくい。性別や年齢による有利不利がなく、誰もが優勝する可能性があるというのが選定理由になりました」と、経緯を語ってくださいました。

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第4回大会の様子。
1、2回戦は6人で、3回戦以降は4人でレースが行われ、勝ち進むごとにコースの難易度がアップ。 ベスト32からは三輪車と水鉄砲を使ったバイアスロン形式のマッチレースとなり、優勝を目指します。
30年継続し続ける、「イベントによる子どもたちの成長」、「人づくり」

こうして誕生した「3りんしゃグランプリ」は、開催場所を「朝日信用金庫中央支店前」に変更。2025年(令和7年)には第29回を迎え、550名が参加(対象年齢は4~12歳)しました。第1回目が65名だったので、現在は約8倍の参加者となっています。
50個以上の豪華賞品がもらえるのも、本イベントの盛り上がりの一つの大きな要素です。参加するには、無料で参加する「抽選枠」と、期間内に商店街加盟店で1,000円以上の買い物をすれば、抽選せずに必ず出場できる「商店街応援枠」があり、これが商店街の売上UPに貢献しています。
また、このイベントを開催し続けたことで、小学校、警察、区役所等、地域全体で強固な連携ができ、商店街の理念である「子どもたちの健全な育成」と「地域の人づくり」に大いに役立っています。

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優勝できなかった子どもたちの中には翌年リベンジするためにトレーニングを積んでくるという強者も。
「わざわざ足を運びたくなる商店街」を作りたい

第20回大会までは、大妻女子大学のゼミ生の皆さんが運営のお手伝いをしてくださいましたが、現在では、かつてこのレースに出走した子どもたちが、「OB・OGスタッフ」として活躍しています。
「イベントを通じて、子どもたちは親や家族へのありがたさ、大切さ、多くの人の優しさに触れ、努力することの大切さ、あきらめない気持ち、そして勝敗の厳しさを肌で感じています。家庭や学校とはまた違う場で、多くの学びを得ることができる貴重な機会になります。
『自分たちが経験した楽しかった思い出を次の世代に伝えたい』、『人に喜んでもらいたい』という真っすぐな思いは、何より尊く、大切なものです。まさに彼ら彼女らは地域の宝であり、日本の宝です。これこそが、『3りんしゃグランプリ』を開催し続ける、大きな意義であると考えています。
そして、子どもたちと同じ志を持ち、『人に喜んでもらいたい。おいしいものを提供したい』と願う商人・料理人の皆さまに、ぜひ松江大通り商店街へ出店していただきたいと思います。もうけるためだけに人が集まるところではなく、志ある商いが根付く場所として、ここで挑戦していただきたいのです。
高い志を持つ皆さまと、これまで努力を重ねてきた加盟店の仲間と、そんな人たちを応援したいと思っている多くのお客さまに、『わざわざ足を運び、おいしい食事や楽しい買い物を楽しんでいただける商店街』を、地域全体の力を結集して創り上げていきたいと考えています」と、花島理事長は力強く語ってくださいました。

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会場の準備を進める、3りんしゃグランプリのOB・OGスタッフ。
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※掲載の情報は2026年2月時点のものです。