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VOL. 92

豊島中央通り商店街振興組合編
豊島中央通り商店街振興組合
戦後ほどなくして創立した商店街

JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子」駅、都電荒川線「王子駅前」より、都営バスにて豊島3丁目もしくは豊島4丁目で下車。徒歩約3分で到着するのが豊島中央通り商店街です。
法人化から今年で73年。戦後、程なくして創立された商店街で、昭和時代は化学工場やそこで働く人たちの社宅が近接していました。特に工場の操業が終わる夕方になると、商店街はたくさんの人たちであふれかえっていたそうです。食品、日用品、飲食店…と何でも揃う商店街として活気あふれる時代が続いていました。
その後、時代の流れやコロナ禍によって物販店や生鮮三品を扱うお店が減少。現在は、主に飲食や食品、各種サービスといった業種が並ぶ商店街となっています。
今回は、数年前に廃止となった「サンバパレード」の代わりに、という中で開催されることになった、「豊島中央通りスプリングパーティ」についてお話を伺ってきました。

  • 豊島中央通り商店街振興組合
    今回お話を伺った、イベント発起人「Wellsideランドリー」店主の山田麻理子さん(左)と成川友英理事長(右)。
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    約350ⅿ続く商店街の通り。16~19時まで「買物道路」として車両通行止めになります。
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    1952年(昭和27年)、街路灯完成記念式典の様子。賑わう様子が伝わってきます。
コロナ禍で中止となったイベントの代わりに誕生した「豊島中央通りスプリングパーティ」

地域住民が毎年楽しみにしている「としま七夕まつり」。そのコンテンツのひとつとして大いに盛り上がっていた「サンバパレード」でしたが、コロナ禍によって4年間の中止を余儀なくされてしまいました。これに代わるイベント案はないかと検討が続いていた中、商店街で「Wellsideランドリー」を営む山田さんが立ち上がります。「地元は大阪。約10年前、出産を機に北区に越してきました。コロナ禍前は商店街のイベントが盛んで、よく遊びにきていたなぁなんて考えていたところ、この話があったんです。周りの方と何かを一緒にして、つながりたいと思いました」とのこと。そして、山田さんを含めた3人がメインメンバーとなり、関わる人の「やりたいこと」を拾いながら、イベント開催へ向けて動きだしていきました。

豊島中央通り商店街振興組合
出店した店舗のイメージイラストが紙面を彩る告知チラシ。
ワークショップ、ステージ、道遊びなど盛りだくさんのイベントに

イベント開催日は2025年(令和7年)4月29日。商店街の通りを約200ⅿ歩行者天国にして、24の出店がありました。ステージでは、アーティストが公演をするなど終始会場は賑やかな雰囲気。バルーンアートの仕上がりはリュック型と珍しい出し物もあったそうです。
「人とのつながりで、出店者が集まりました」と山田さん。出店者は豊島エリアだけでなく、北区全域に広がったとのことです。そして集客は、SNSのほか地元の保育園や小学校にチラシを配布。まさに、地域とのつながりを生かした施策で、当日は通路いっぱいに来街者が集まりました。

豊島中央通り商店街振興組合
道遊びイベントの様子。 チョークで地面にお絵描きした後は、モップと水でお掃除を。
「やりたい」をカタチにするには

今後についてお聞きすると「大成功に終わった本イベントを見本に、他商店街でも地域と商店街協同のイベントが増えてくれればと思っています。なお、開催にあたっては女性若者補助金を活用しました。『やりたい』をカタチにするにはこういった補助金の存在が重要ですが、精算はイベント開催後。相当な金額になるので、銀行からお金を借りてまずは支払うことになるのですが、精算時は請求書ベースなんです。つまり、金利分は精算できないということになり、商店街の持ち出しです。このような状況なので、若い人がいくらやる気になっても、資金面で挫折してしまう例もあると思うんです。地域を盛り上げたいという発起人が、しっかり活躍できるような体制を整えて欲しいですね」と成川理事長。
地域の核でもある商店街によるイベント開催。資金面での課題をクリアすることが、ひとつのハードルでもあると痛感した取材となりました。

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「シンプルで見やすい!」と理事長お墨付きの商店街マップ
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※掲載の情報は2025年7月時点のものです。