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TOKYOの商店街で開業したい人必見!
こんな商店街・あんな商店街の
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VOL.
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東急目黒線「洗足」駅前に広がる洗足商店街。東京都としては初めてとなる3区(目黒、大田、品川)にまたがる商店街で、64会員が元気に営業しています。振興組合が設立したのは、1966年(昭和41年)のこと。それから約60年もの間、地域密着型の商店街として人々の暮らしを支えています。
近隣には閑静な住宅街が形成されていて、様々なカルチャー教室が多い点が特徴。駅前には音楽ホールが備わり、文化に触れながら過ごせる環境もあります。
東急目黒線「洗足」駅は、皇后雅子さまのご実家の最寄り駅でもあり、駅前の「いちょう通り」は「プリンセス通り」という愛称でも呼ばれています。駅前広場を中心にして、「プリンセスフェスタ」、「七夕まつり」など各種イベントを開催。これらのイベントは、近隣の学校に通う学生ボランティアなどに力を借りながら実施しています。
今回は、2025年に導入した街路灯の誕生秘話や学生ボランティアが活躍するミライ会議についてお話を伺ってきました。
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©Seiji Fujisiro Museum 2025
今回お話を伺った、依田悦子代表理事。駅前でパソコンスクールアルトを経営されています。 -
商店街の様子。診療所や薬局、理美容院、各種飲食店、カルチャー教室などが揃っています。
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2023年に開業100周年を迎えた東急目黒線「洗足」駅。
「『洗足』駅開業100周年を迎えるにあたり、他にはない街路灯を作りたい」という理事会の要望により、近隣に住む世界的に著名な影絵作家の藤城清治先生に依頼することを決定。「まずはプレゼン資料のみでご説明しました。具体的なものがないと理解や判断ができないと言われてしまったので、さっそくサンプルをお持ちしたんです。その時、中間灯立方体のサンプルを見た先生には『どうもイメージとあわない』と言われてしまい、新たに制作したのが現在の形である円柱形のサンプル。サンプルには先生の作品を組み込んでお持ちしたのですが、すっかり気に入っていただき、了承を得ることができました」と、当時のエピソードを笑顔で語ってくださった依田代表理事。当初1種類の新作を提供していただく予定が、先生がこのプロジェクトに大きな関心を寄せてくださったこともあり、新作8種類を含めて46基の街路灯が誕生しました。この46基には、それぞれ違うデザインが施されています。美術鑑賞をしながら、お買い物や散歩が楽しめる空間が広がっています。
街路灯完成記念イベントは、2025年(令和7年)3月20日(木・祝)に開催。今年101歳になられる藤城先生も参加されたオープニングセレモニーではテープカットが行われました。その後は、ひばり児童合唱団のコーラス、原町小学校大江戸和太鼓の演奏、街路灯クイズラリーなどで大いに盛り上がったそうです。

自然光が差し込む日中は、繊細な影絵を楽しめます。なお、2025年度には品川区分の3基に、建て替えのために藤城清治先生に新たに中間灯デザインを制作していただく予定になっています。
目黒区商店街連合会では、2018年(平成30年)から「ミライ会議」を開催。これは、東大生を中心に立ち上がった取り組みで、現在は地元の高校生が運営メンバーとなり、商店街のイベント等を企画、運営しています。SNSを活用した広報活動など、情報発信についても尽力してもらっているとのことです。
そのような中、洗足商店街では主に自由ヶ丘学園高等学校の生徒さんにボランティア活動を依頼。なんと、2025年(令和7年)3月20日(木・祝)に開催された街路灯完成イベントで司会を務めたのは、学生メンバーのひとり。落ち着いたその進行ぶりには、各方面から高い評価があったそうです。

今後について依田代表理事にお伺いすると、「街路灯は今年度、品川区分の建て替え、可能であれば来年度、大田区分での新設も予定しています。先生の作品が、このように商店街の中で見られることを世界に向けて発信して、認知度を上げていきたいですね。ミライ会議においては、インスタによるイベントなどの宣伝活動やデジタル商品券の導入など、『若い人目線』でのアイディアやサポートをお願いしたいと考えています」と語ってくださいました。街路灯の完成記念イベント時に制作された「洗足街路灯MAP」を手に、3区にまたがる商店街をぐるりと巡ってみるのも楽しそうです。

自治体リンク
商店街など 目黒区ホームページ※掲載の情報は2025年5月時点のものです。