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VOL. 82

六町駅前商店会resk編
六町駅前商店会resk
「つながる」をテーマに、平成に誕生した商店会

つくばエクスプレス「六町」駅周辺にある店舗や企業が会員となっている六町駅前商店会resk。商店街というまとまりで形成されているのではなく、駅周辺に点在するお店や企業で構成されています。
開発計画の段階では「六町」駅が開業した2005年(平成17年)に商店街がオープンする予定でしたが、計画段階で頓挫。結果的に商店街は誕生しませんでしたが、地域外からきた若い層が喫茶店や生花店を出店するなど、賑わいを見せるようになったそうです。駅の開業前から商売をしてきた店主たちは「六町を選んで出店してくれた人たちをバックアップしたい」という思いで、2014年(平成26年)に商店会を設立。「つながる」をテーマに、毎月イベントなどを開催しています。
今回は、第18回東京商店街グランプリで特別賞を受賞した「六町つながるプロジェクト2022」についてお話を伺ってきました。

  • 六町駅前商店会resk
    今回お話を伺った石鍋明夫会長(左)と新里原良事務局長(右)。ちなみにreskは、六町、駅前、商店、会のそれぞれの頭文字をとったものです。
  • 六町駅前商店会resk
    各種イベントが開催される「足立区立六町公園」。駅からはすぐの場所にある緑豊かな憩いの場所です。
  • 六町駅前商店会resk
    事務局が置かれている「ダイオーズOCS城北」は、新里事務局長が経営されている会社。地域の方が気軽に来られるようにオフィスを開放し、安心・安全な地域の居場所を提供しています。
「コロナ禍で疲弊した商店や地域住民を活気づけたい」という思いでプロジェクトを企画

商店会設立後は、毎月フェスタやキッチンカーによる移動販売を続けてきたという六町駅前商店会resk。これらの活動によって、古くからの住民と移転してきた住民とが顔見知りになり、防犯や防災にも効果があったとのことです。また、キッチンカーは足立区内の新規出店者を優先的に採用し、チャンスが得られるようにしました。
そのような中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、従来のやり方によるフェスタや移動販売を続けることが難しくなってしまいました。中止を余儀なくされたイベントも多い中、メンバーは「各種イベントを継続させて、疲弊した商店や地域住民を活気づけたい」という思いで一致。話し合いを重ね、感染防止対策はもちろんのこと、規模を縮小したり、やり方を変えたりしながら、「六町つながるプロジェクト2022」として、イベントや事業の実施を実現しました。

六町駅前商店会resk
コロナ禍中、飲食店経営会員の支援や疲弊した地域住民が少しでも笑顔になればという思いで、駅前の広場にフリーテラスを設置。テイクアウトしたお弁当などが屋外で食べられる、新たな憩いの場を創出しました。
子ども食堂のあり方を模索中

イベント開催のほか、会員の飲食店から有志を募り、子ども食堂の活動を続けているとのこと。コロナ禍では、お弁当版の「100円キッズランチ」を考案し、現在ではお弁当スタイルが定着しています。子ども食堂というと、金銭の事情で食事を摂ることがままならない子どもたちが利用するというように、「貧困」を想像してしまいがち。「また来てね」と声を掛けたところ、「毎回来ると、お金がないのかと思われてしまう」と、来ることを躊躇している親子もいるようです。「低価格で提供してもらう=貧困という図式ができてしまうのは残念。共働きが増えている昨今、パパやママの息抜きに使ってもらって構わないと思っています。同時に、無条件にタダや低価格でもらえるという意識を持ってしまうのは問題のように感じています。大人が労働したら給料をもらえるように、何か努力をしたらそれに対する報酬が発生するのだということを教えていきたいですね。例えば、植物を育てたり駅前の掃除をしたりしたらもらえるとか、努力をしたらいいことがあるんだ、というような意識を育めたらいいです。提供する側も、提供して満足するだけではあまり意味がないと考えています」と思いを語ってくださいました。

六町駅前商店会resk
彩り豊かな「100円キッズランチ」。
根本を変えるような、気付きになる活動を

「2~3年先には駅前にテナントビルができる予定です。今から『一緒にイベントをやりましょう』と声を掛けていただいています。商店会の意見も聞いてくださっているので、オープンやその後が楽しみですね」とお2人。地域が変わるには国が変わることも必要と、2024年(令和6年)7月の東京都知事選挙の投票率を上げるべく、「六町つながるフェスタ」の会場に投票済証を持参すると特典が受けられる、「選挙割」という斬新なアイデアを盛り込んだそうです。
「地域の根本を変えるような、気付きにつながる活動をしていきたい」といった力強い言葉を受け、六町の明るい未来を感じました。

六町駅前商店会resk
東京都知事選挙の投票日と同日(2024年7月7日)に開催された「六町つながるフェスタ」の様子。選挙割を採用したイベントで、ステージ、キッチンカー、ワークショップなどで会場は大盛り上がりだったとのこと。
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