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VOL. 77

水門通り商店街振興組合編
水門通り商店街振興組合
組合が発足してから約50年。地域とともに歩んできた商店街

京急本線「雑色(ぞうしき)」駅から徒歩約4分のところにある水門通り商店街。組合が発足してから約50年が経過した商店街で、現在は76店舗ほどが加盟しています。国道1号の「雑色駅入口」から多摩川方面へ向かうとある「南六郷2丁目」の交差点まで約800メートル続いており、その名の由来は商店街の先に位置する「六郷水門」です。
昭和20年代から営業しているお店があるなど、組合発足前から店舗が軒を連ねていたとのこと。店舗の構成としては、ナショナルチェーンはほとんどなく、生鮮三品や飲食店などの個人店が多くなっています。
今回は、「第18回東京商店街グランプリ」でグランプリを受賞した「イベントマルシェ G-round」の内容を中心にお話を伺ってきました。

  • 水門通り商店街振興組合
    今回イベントのお話を伺った、青年部の山田翔生さん(左)。小林秀行理事長(右)には、商店街の歴史について教えていただきました。
  • 水門通り商店街振興組合
    商店街には自店舗も。地域住民との交流の場として子ども向けのイベントを実施したり、短期の貸店舗として活用したりしているそうです。
  • 水門通り商店街振興組合
    現在も毎年10月に開催している「水門通り祭り」(昭和50年代撮影)の一コマ。「とにかく子どもが多い時代でした」と小林理事長。
20~30代の青年部メンバーが活躍

活動の中心人物が高齢化している商店街が多い中、水門通り商店街では、20~30代の若手メンバーの活躍が見られます。また、店主に限らず、「地域をよくしたい」と思う人であれば、外部からの参加も可能。この柔軟な考え方があったことは、「第18回東京商店街グランプリ」のグランプリ受賞に寄与しただけでなく、担い手の育成や商店街の活性化にもつながっていきました。

水門通り商店街振興組合
表彰式に出席した小林理事長と青年部のメンバー。
スローガンは「地域で描く円と縁」

グランプリを受賞した「イベントマルシェ G-round」を実施したきっかけを伺うと、「コロナ禍で、子どもたちが積み上げてきたものを発表する機会が失われてしまいました。また、商店街の飲食店は様々な規制の中で運営することになり、売り上げが軒並みダウン。このような状況を自分たちの力でどうにかできないかと考え、企画・実施することにしたんです」と明かしてくださいました。
このイベントは、地域のダンスクラブなどが日ごろの成果を発表するだけでなく、最大20のブースが出店。大田区外からの出店も受け付けており、出店料は大田区内外にかかわらず有料です。こうすることで、助成金に頼らないでイベントを開催できるほか、イベントが自立し、持続可能な事業スキームが構築されました。現在は隔月開催となっていますが、当初は毎月開催していたとのことです。
そんな、「イベントマルシェ G-round」のスローガンは「地域で描く円と縁」。円を描くように地域とのつながりや縁が広がっていくことを目指していきたいという山田さんは、「メンバーであれこれ議論をするとき、判断に迷いそうになったら、このスローガンに立ち戻るようにしています。そうすることで、目的にそっているかどうかが判断できるんです。このスローガンは事業をやっていく上ではとても大事なものです」と語ってくださいました。

水門通り商店街振興組合
開催場所である雑色駅前の広場で、パフォーマンスをするダンスチーム。
空き店舗の解消や新しい人材の確保へ

今後の展望をお聞きすると、「イベントを通して、空き店舗の解消や新しい人材の確保につなげていきたいです。また、近隣の学校や地域団体、行政などと連携して安心して暮らせる街を作っていきたいですね。これらを実現するために、今、何が必要かは常に模索していきます」と強い意志を示してくださった山田さん。イベントの参加者の中からすでに2業者が商店街で出店したり、活動に興味を持った大学生が企画に参加してくれたりと、目に見える成果が表れています。これから様々な価値観を持った人たちがどんどん活動に参加し、より意義のあるイベントへと発展していくことでしょう。

水門通り商店街振興組合
ホームページのほか、公式LINEやInstagramなどのSNSでも情報を発信。
イベントが近くなると、近隣にはポスティングもされているそうです。
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