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VOL. 70

立川南口すゞらん通り商店街振興組合編
立川南口すゞらん通り商店街振興組合
JR立川駅南口前に広がる、立川市内最大の組合員数を誇る商店街

JR「立川」駅南口を出てすぐのところにある立川南口すゞらん通り商店街。東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)に「すゞらん通り商友会」と「錦町一・二丁目錦盛会」が合併して、立川南口すゞらん通り商店街振興組合が発足しました。発足した翌年に立川駅南口駅前の区画整理事業が開始されると、それまで商売をしていた店主達がビルのオーナーになるなどし、徐々に生鮮三品などを扱うお店が姿を消すなど、商店街の様子に変化が見られるようになったそうです。
振興組合の組合員数は約130店と立川市内最大を誇っていますが、その多くは飲食店。また、ライブハウスが3店舗あり、バンド活動などに取り組む若者などが多く行き交う商店街でもあります。さらに場外馬券場「JRAウインズ立川」が商店街組合に所属し、商店街のイベント時には会場として開放するなど、大きな役割を担っています。
今回は、五十嵐陸夫理事長、布施明理事長代行兼監事に「第17回商店街グランプリ」にて優秀賞を受賞した「立川フラメンコ」のお話やその他イベントを活発に開催されている理由など、幅広く語っていただきました。

  • 立川南口すゞらん通り商店街振興組合
    今回お話を伺った布施理事長代行兼監事(左)、五十嵐理事長(右)。
  • 立川南口すゞらん通り商店街振興組合
    商店街内には、すずらんの形をした街路灯が点在しています。
  • 立川南口すゞらん通り商店街振興組合
    音楽イベント時の会場ともなる、ライブハウス3店舗。
入会しているメリットを会員が感じられるよう、積極的にイベントを開催

「商店街は全国にたくさんありますが、特徴を生かしてやっていかないと、出店したいと思う人が減ってしまうだけでなく、現会員も会費を払っていることに疑問を感じてしまうと思うんです。活動しているということを認識してもらうことも重要だと考えています」とお二人。そこで立川南口すゞらん商店街の特徴を生かしたソフト事業(イベント)に力を入れているとのこと。飲食店が多く、ライブハウスがあることから、商店街の街路を歩行者天国にして行われる「夏の食楽祭」は2009年より開催。路上マーケット、物産展、路上ステージ、ライブハウスの無料開放などで開催日には多くの来街者でにぎわいをみせているそうです。また、「立川フラメンコ」は、フラメンコ界では知らない人がいないというくらい知名度が高いイベントに成長。多様なイベントを通して、商店街の名を全国的に広めていらっしゃいます。

立川南口すゞらん通り商店街振興組合
デザインが工夫されたイベントのパンフレット。マップや各種紹介、案内などが掲載されています。
商店街の名が広く知られることになった「立川フラメンコ」とは

「『立川フラメンコ』は、立川市出身のフラメンコ舞踊家を応援したい! という思いからスタートしたイベントです。特産物などだけではなく、人も地域にとっては大切な資源だと思うんです。そこで、まずは2002年に『JRAウインズ立川』の屋内にステージを設置して、フラメンコライブを実施したんです。2004年には、商店街の路上を車両通行止めにして、第1回ともいえる『立川フラメンコ』を開催しました」とのこと。当初の参加者は十数人だったそうですが、回を重ねるごとに認知度が上がっていき、約500人が参加するイベントへと成長。さらに、開催日に利用できるクーポンを発行するなど、商店街の一大イベントへとなっていきました。

立川南口すゞらん通り商店街振興組合
路上を埋めつくす「ストリートフラメンコ」。約30,000人の人出があるとのこと。
新型コロナウイルス感染症の感染対策が高く評価された「立川フラメンコ」

そのような中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、 2020年、2021年の2年は開催できない状況となってしまいます。「毎年開催に向けて動いてはいたのですが、直前に断念というのが2年続きました。2022年は、『怖がっても仕方ない』となり、しっかり感染対策をして実施することを決めたんです」と再開当時のことを振り返ってくださいました。
感染対策としては、約22カ所にボランティアスタッフを配置し、検温、消毒、住所の聞き取りを徹底。会場のひとつであるライブハウスや出演者控え室の前でも、同じ感染対策を実施し、感染防止を強く意識した中でイベントを開催したとのこと。また、出演者は300人に絞り、密にならないように配慮されたそうです。
このような徹底した感染対策が評価され、「立川フラメンコ」は、「第17回商店街グランプリ」にて優秀賞を受賞。5類感染症に移行する前だったこともあり、2023年も引き続き感染対策をしっかりとしながらの開催となりました。

立川南口すゞらん通り商店街振興組合
ダンサーだけでなく、その家族や知人、地域住民などにも評判の「立川フラメンコ」は、多摩地区の一大イベントとしても定着。
特徴を生かして、埋もれないようにしていきたいです

今後の展望などをお聞きしたところ「飲食店、音楽、フラメンコといった、この商店街ならではの特徴を生かして、広くPRしていきたいです。やはり、しっかり外部に発信していかないと、埋もれてしまうと思います。イベントによってにぎわいを創出することで、会員の評価も違ってきますしね。にぎわいを実感してもらって、会員になってよかったと感じてもらえるように、これからも積極的にイベントをしっかりやっていきたいと思います」と力強く語ってくださいました。
イベントには地域の学生などもボランティアとして参加しているとのことです。今後も地域と共に作り上げたイベントを通して「立川南口すゞらん通り商店街」の名は広く知られていくことでしょう。

立川南口すゞらん通り商店街振興組合
歩道と車道が明確に分けられている整然とした街並み。
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