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VOL. 68

堀切ラッキー通り商店街編
堀切ラッキー通り商店街
葛飾区の西部にある、古くから発展した商店街

京成本線「堀切菖蒲園」駅より徒歩約3分。東西に約300m延びる商店街が「堀切ラッキー通り商店街」です。
以前は荒川にかかる旧堀切橋へ続く商店街として、今よりたくさんの店舗が営業をしていました。しかし、新しい橋が250mほど上流に完成したことで旧堀切橋が取り壊されることに。ここで、動線が大きく変わったこと、そして、駅や葛飾区の名所でもある堀切菖蒲園の動線上にないことなどが理由で、客足の低下を余儀なくされてしまいました。そこで、「堀切ラッキー通り商店街を見ていこうと思ってもらうためには、その流れを自分たちで作らなくては!」と立ち上がったのが、現会長でもある岩崎修さん。今回は、「第16回東京商店街グランプリ」で準グランプリを受賞した「メロン育て隊事業」や今後の展望について語っていただきました。

  • 堀切ラッキー通り商店街
    今回お話を伺った岩崎会長。「堀切の走る薬剤師」という肩書を持つ現役ランナーでもあります。
  • 堀切ラッキー通り商店街
    商店街内にある「ほりきりん公園」。堀切のマスコット「ほりきりん」の滑り台が堀切らしさを演出しています。
  • 堀切ラッキー通り商店街
    商店街には、クリーニング店や写真館、お煎餅店など、創業80年を超える老舗が残っています。
「商店街でメロン栽培」という意外性がポイントに

岩崎さんが会長に就任された2015年。商店街の役員会議で「ラッキー通りをブランディングするために、みんなでできることは?」というテーマを掲げて、意見を募ることから始めたとのこと。そのテーマの理由を伺うと「同じ目的に向かっていく組織にしないと、ここで商売をしたいという人も集められないと思ったんです」と教えてくださいました。当初は、「ゴーヤや枝豆、イチゴ、ジャガイモなどを商店街で育てたらどうか?」と、他でもできるようなものを栽培するという意見があがっていたそうです。そのような中、ある役員から「メロンはどうですか? メロンの苗が売っているのをみましたよ」という意見があがり、「どうせやるなら意外性があるものがいい」と、メロン栽培を始めることにしたそうです。
「試しに役員だけで栽培したところ、半分が成功しました。店頭で栽培していると、お客さまから何を作っているの? と質問がくるようになっただけでなく、参加したいと手を挙げる人も。そこで『メロン育て隊』を発足し、隊員証明書を発行。隊員に栽培のポイントを教える『育成相談会』を開催したり、年1回の収穫祭を開いて最も大きいメロンを表彰したりなど、地域とつながりながら盛り上げてきました。地域のクリエイターが制作したオリジナルソングやメロンをモチーフにしたグッズなどもあるんですよ。そして、このような活動が認められて『第16回東京商店街グランプリ』で準グランプリを受賞しました」と語ってくださいました。

堀切ラッキー通り商店街
収穫祭で表彰台に乗るメロン。式典が終わると、カットメロンを無料で配布するのだそうです。
新しい交流の場、カフェ&ギャラリー「さちのば」を開設、経営

堀切ラッキー通り商店街の挑戦は、メロン栽培に留まりません。商店街には、空きテナントを活用した交流の場、カフェ&ギャラリー「さちのば」を開設し、商店街で経営しています。ここは、月・水・金のランチタイムではお食事や飲み物を提供。切り盛りは地域のご婦人たちが担当しています。空き時間は、レンタルスペースとして貸し出しており、会議やセミナーのスペース、飲食店等としての利用が可能です。また、店内をギャラリーに見立てて、地域のアーティストの作品を展示し、来店者に見てもらうという機会が得られるようにしています。「空き時間を利用して、ぜひチャレンジ出店をして欲しいです。例えば堀切ラッキー通り商店街で飲食店を開業したいと思っても、いきなり店舗を構えるとなると、初期投資もそれなりにかかります。『さちのば』で何回かやってみて、顧客がつけば、売上の目途もついて安心して開業できると思うんです」と、「さちのば」を「これからの人」に活用してもらいたいという思いを語ってくださいました。
ランナーでもある会長は、「さちのば」をランナーの拠点とすることも実行されていて、「SJC」(サチノバ ジョギング サークル)を設立。申込先は「さちのば」、目標を毎年3月に開催される「かつしかふれあいRUNフェスタ」(開催場所は堀切水辺公園)として、日々活動されています。

堀切ラッキー通り商店街
店頭のひさしはメロンを思わせる緑とアイボリーの縞模様。誰もが入りやすい雰囲気で、商店街の象徴としてこれからも多くのつながりを生んでくれそうです。
大学生との交流を深めながら、活性化につなげていきたい

商店街、地域住民との輪が広がってきた中、最近は大学生とのつながりを構築するために動き始めています。具体的な事例をお伺いすると、「商店街が近隣の大学生に活躍の場や機会を提供して、街の活性化につなげたいという思いはあるのですが、残念ながら堀切菖蒲園駅を最寄りとする大学はありません。そこで、たまたまこの街に住む芸大生に声をかけたところ、『さちのば』をレンタルして、ラテアートなどを提供するカフェを営業してくれました。6月には大学生と一緒にアートマーケットも開催します」とのこと。「芸大生にデザインについての意見を乞うこともあります。今後は大学生と子ども達とのコラボ企画などもできたらいいです」とも話してくださいました。

堀切ラッキー通り商店街
ハロウィンイベントでは、フォトスポットを設置。フェイスペインティングが大盛況だったそうです。
挑戦し続ける商店街でありたいです

「失敗は成功のスタート」、「何ごとにもスピード感をもって挑戦し続けたい」とも話してくださいました。コロナ禍で停滞してしまった部分もあるので、今年からはアクセルを踏みなおしていかれるそう。「堀切ラッキー商店街で商売をしたい」、「ここの仲間になりたい」という人が一人でも増えるよう、「堀切の走る薬剤師」である岩崎会長は、これからも幅広い年代の仲間たちと走り続けていくことでしょう。

堀切ラッキー通り商店街
商店街のパワースポットである「堀切七福神」は幸運の守り
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