商店街紹介 立川市 錦商店街振興組合

個性的な店舗が並ぶ、元気あふれる商店街

立川市 錦商店街振興組合

JR中央線「立川」駅南口を出て徒歩5分のところにある錦商店街。振興組合が設立したのは1965年のこと。65店中50店以上が個人経営の飲食店と、チェーン店や物販店がほとんどないという点が特徴です。“個性的な店舗が軒を連ねている錦商店街で開店したい"という若い経営者も多く、空き店舗が出てもすぐに埋まってしまう状況。そのような中、長くこの地で営業している店主と若手の経営者が協力しながら、商店街や地域を盛り上げようと「鬼うまフェス」というイベントを企画し、2019年には『第15回東京商店街グランプリ』で特別賞を受賞しました。現在はコロナ禍でイベントができない状況ではありますが、近隣の大学と産学連携をするなど、常に前向きに行動している商店街です。今回は、イベントや産学連携についてお話を伺いました。

 立川市 錦商店街振興組合  立川市 錦商店街振興組合

1905年(明治38年)に創業した「吾妻米店」。鈴木理事長は4代目で5代目の息子さんと切り盛りされています(上)。北島こうじ店は創業102年目を迎える、錦商店街内で最も古い店舗。

今回お話を伺った、岩下専務理事(左)、鈴木理事長(中央)、女性部北島副理事(右)。新しい店舗に足を運んだり、大学のゼミと協働したり、積極的に活動されています。

ドラマやアニメにも登場する「オニ公園」で、イベントを開催

立川市 錦商店街振興組合

立川の有名スポットのひとつ、鬼をモチーフにした滑り台がある「オニ公園」(錦第二公園)でイベントを実施することを企画。「スタート時は、3月に実施していましたが、以降は毎年ハロウィンの時期に合わせて10月の最終日曜日に開催しています。年によって内容は変えていますが、主に商店街の飲食店や地域の方々が出店するテントのほか、ステージを設置して地域の子どもたちの出しものなどを楽しんでもらっています。当商店街は個人経営の飲食店が多いというのが特徴ですが、その分チェーン店と違って“どんな店なのだろう?"と入店を躊躇されてしまうケースもあるんですね。そこで、鬼うまフェスの場を広く宣伝するスペ―スとして活用してもらって、来店につなげるというのも狙いです。イベントは代理店に頼むという方法もありますが、商店街が場所を提供して店主や地域の方々が参画するというのをモットーとしています。そうすることで、確かなつながりができると思うんです」と語ってくださいました。

子どもが集まる公園にオニ?と疑問を感じてしまいますが、この場所が立川の『鬼門』にあたることから、まちの鬼門を守るために設置されたのだとか。以降街のシンボル的存在として、地域住民に親しまれています。

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イベント当日の様子。子どもたちの発表をみながら、会場に設置されたテーブルで飲食を楽しむ来場者の方々。

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イベント情報はポスターやチラシだけでなく、各店主がSNSなどでも発信。イベントの動画をメンバーが編集しYouTubeにアップしています。

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各店の逸品を販売。メニューや店舗カードなども配布し、積極的にお店をPR。

産学連携の取り組み。「味や商品の紹介だけでなく、店主の思いを一緒に届けたいです」

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岩下専務理事とのつながりがきっかけとなり、2019年から産学連携ということで錦商店街のフィールドを借りて活動しているという明星大学の森屋ゼミ。「昨年は商店街のイベントで商品販売などをしましたが、今年はコロナ禍で実施できない状況。メンバーで話し合い、私たちの年代が日常的に使っているYouTubeを活用したお店紹介動画の制作を提案することにしました。でも、単なるお店紹介ではつまらない...。例えば飲食店なら、“この料理がおいしい"というグルメ番組風に仕上げるのではなく、店主の方にお店や料理にかける思いをお聞きしながら、だからこそこの味が生まれたんだとか、長く続いている理由などを発信できたらと思っています。いろいろお話を聞く中で“大人って頑張っているんだな。自分たちはまだまだ経験不足だ"と、机上の勉強では学べなかったことが得られました。来年は就職活動が始まりますが、今回の経験を生かしていきたいです」とゼミ生の安原さん。ほかにもLINEのサービスを使ったクーポン発行の提案をするなど、学生ならではの発想で商店街を盛り上げようと尽力しています。

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今回取材を受けてくださった、森屋ゼミの皆さん。左から、齋藤和泉さん(3年)、森屋一訓特任教授、安原璃央さん(3年)。地域活性化を研究テーマとしているのだそうです。

今だからできることがきっとある!横のつながりを強固なものに

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今年は例年通りとはいかない環境ではありますが、今の思いを鈴木理事長にお聞きすると「コロナ禍でイベントができない状況が続いている中、今は横のつながりをしっかり保ちたいという思いがあります。マスクが外せて、イベントが再開できる日に向けての体制づくりですね。実は最近、新規で3店が振興組合に入会してくれました。理事だけでなく、店主さんたちも“つながりを大切にしたい”という同じ気持ちなんだと思います。
でも、入会してくれたらおしまいではないし、無駄に会費をとっているだけと感じてもらいたくはありません。入会すると有効な情報が入ったりお互い助けあったりメリットは多くありますので、そんなことも若い人たちに実感してもらって、振興組合の底力をつけておきたいです。とにかく、若い店主や大学生の提案は商店街としてもうれしいことです。これからもいろいろな意見を取り入れながら、元気な商店街を目指します」と語ってくださいました。

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個性的な飲食店が並ぶ、商店街の様子。GW以降、各店趣向を凝らしてテイクアウトを実施しているとのこと。チェーン店のお弁当より野菜が多いなど、評判も上々。

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商店街イベント

鬼うまフェスなど

入会メリット

イベントへの参加、Facebookへの掲載など

商店街情報

  • 商店街名 錦商店街振興組合
  • アクセス JR「立川」駅より徒歩5分
  • 住所 立川市錦町1-4-7(吾妻米店)
  • TEL 042-522-3964 (吾妻米店)
  • FAX 042-522-2409 (吾妻米店)
  • URL https://ja-jp.facebook.com/nishikishotengai/

※掲載の情報は2020年10月時点のものです。