商店街紹介 港区 麻布十番商店街振興組合

下町風情が残る、歴史ある商店街

港区 麻布十番商店街振興組合

麻布エリアの中でも低地に位置している麻布十番。明治時代に入ると古川沿いに工場がつくられ、かつては工業の街という側面がありました。そして、工場で働く職人などが居住し、下町風情のある街並みが形成されていくことになります。
長い間鉄道駅がなく、1969年に都電が廃線となると『陸の孤島』と呼ばれるように。以降、近隣の六本木エリアのような大規模開発が行われることはありませんでしたが、結果として下町風情が残る庶民的な街並みの維持につながったともいえます。そのような中、2000年に『麻布十番』駅が開業。東京メトロ南北線と都営大江戸線が利用できるようになり、アクセスしやすい街へと一変しました。
このようなエリアに位置する麻布十番商店街は、1957年に法人化し、現在に至ります。 駅の開業後は、地元客や近隣の大使館で働く外国人だけでなく、遠方からの観光客など客層にも幅が出てきたとのこと。組合加盟店数は約400店。江戸時代から続く老舗、新しく出店した店舗が『麻布十番らしさ』を常に意識しながら、元気に営業しています。

 港区 麻布十番商店街振興組合  港区 麻布十番商店街振興組合

平野理事長が3代目という『平野屋紙文具店』は1929年(昭和4年)創業(上)。明治時代に創業した『小林玩具店』は麻布十番大通りの十字路に立地(下)。

「“ほほえみの街・麻布十番”“住み続けたい街・麻布十番”がコンセプトです。近くに大使館があるので国際色豊かな一面もあります」と、今回お話をうかがった平野一夫理事長。

駅の開業を機に『麻布十番商店街の十番ルール』を作成

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「陸の孤島と呼ばれて久しかった麻布十番エリアでしたが、それで十番らしさが保てていたというのも事実だと思います。東京メトロ南北線と都営大江戸線の『麻布十番駅』が開業すると決まってから、この雰囲気を壊したくない、眠らない街のような繁華街にはしたくない、という思いがあって港区の協力を得て『麻布十番商店街の十番ルール』を作成しました。麻布十番の十番にかけて項目は一番~十番まであります」と平野理事長。内容は、振興組合への入会メリットやイベントへの協力依頼、麻布十番というブランドを保つこと、安全・清潔・健全な街づくりに協力することなど。「“ルールは理解して守ってもらう”ということに意味があると思います。ですから、“必ずこれらの項目を守ってください”という強制的なやりかたではなく、それぞれのルールには理由も書き添えてお願いや協力という形でまとめています。理由があることで、皆さん納得していただけるようで、風紀は保たれていると思います」と語ってくださいました。

出店予定のテナントには理解した上で開業して欲しいという思いから、『麻布十番の十番ルール』は不動産店へも配布。

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多くの商店が営業している麻布十番商店街。夜の街にならないよう、現状多くの小売店は20時、飲食店は23時で閉店しているということも内容に盛り込まれています。

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石畳の街並みや周辺の緑と調和した店舗づくりへの協力をお願いし、景観の維持にも注力されています。写真は、1986年に完成した多目的広場『パティオ十番』。

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幼稚園、小・中・高校、インターナショナルスクールの通園・通学路になっている麻布十番商店街。風俗営業や客引きのない商店街づくりについても協力をお願いしています。

年間を通してイベントを開催

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地域とのつながりを持ち、元気な商店街として継続していくために、年間を通してさまざまなイベントを開催してきた麻布十番商店街。「1月の七福神めぐり、2月の節分、4月の花まつりなど季節を意識したイベントを開催してきました。ほかにも、自治体により殺処分となってしまう犬猫をなくすため、里親を探す里親会をパティオ十番で行ってます。何年も続く植木市や骨董市もやっているんですよ。8月には50年以上の歴史がある麻布十番納涼まつりがあります。今でこそ多くの来街者で賑わうお祭りとなっていますが、最初のころはなかなか集客できなかったと聞いています。そこで当時の理事たちが創意工夫を重ね、『大名行列』として開催したところ来街者数がアップ。以降『夜店の夕べ』『納涼大会』『麻布十番納涼まつり』と名前や内容を変えて現在に至ります。1999年からは、イラストレーターの宇野亞喜良さんがデザインしたTシャツ、うちわ、ポスター、フラッグを作成しているんです。今年は様々な事情が重なり納涼まつりは中止となりましたが、これらは作成しました。この季節にお馴染みのデザインが商店街内に並ぶことで、夏を感じてもらえればと思います」と教えてくださいました。

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イラストレーターの宇野亞喜良さんがデザインしたイラストが入ったフラッグ。商店街中の街路灯に飾ってあり、街に彩りを添えていました。

今だからこそできることをやっていきたいです

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「新型コロナウイルス感染症の拡大前までは、イベントの準備や実施に追われる日々でしたね」と平野理事長。「今は人が集まるイベントはできません。でもそれで終わりではなく、今だからこそできることをやる!と切り替えることにしました。最近は、国内外で想定外の自然災害が多発しています。まずは防災マニュアルを作成したり、防災講習を開催したりして、安心・安全な街づくりにつなげられたらいいなと思っています。それから、緊急事態宣言の営業自粛要請で大打撃を受けた飲食店については、振興組合でできる限りのバックアップをしています。現状では、助成金の情報を提供したり、商店街の公式サイトで『麻布十番商店街テイクアウト―対応店リスト―』というコンテンツを開設したりしていますね。今までもこれからも“みんなで協力しながら”という気持ちは変わりません。 麻布十番商店街にきてくださるお客さまは、いい方が多いです。常にお客さまに育てられているという思いで取り組んでいきたいですね」と様々な視点から今後について語ってくださいました。

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公式サイトのTOPページにある『麻布十番商店街テイクアウト―対応店リスト―』のバナーや新型コロナウイルス感染症に関する情報。

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商店街イベント

七福神めぐり、節分、花まつり、JSSガラポン、ほほえみセール(中元)、七夕、麻布十番納涼まつり、秋祭り、十番の日、ハロウィン、酉の市バザール、ほほえみセール(歳末)、除夜の鐘、寄席、里親会、骨董市、植木市など

入会メリット

「麻布十番納涼まつり」への出店、商店街地図、十番だより、ホームページ等への掲載

商店街情報

  • 商店街名 麻布十番商店街振興組合
  • アクセス 東京メトロ南北線、都営大江戸線「麻布十番」駅よりすぐ
  • 住所 港区麻布十番2-3-10 麻布十番会館
  • TEL 03-3451-5812
  • FAX 03-3451-5811
  • URL http://www.azabujuban.or.jp/

※掲載の情報は2020年08月時点のものです。