商店街紹介 台東区 谷中銀座商店街振興組合

下町の風情を感じる街並み。多くの来街者に愛される商店街

台東区 谷中銀座商店街振興組合

JR山手線「日暮里」駅西口をでると左手に見えてくるのが、『十五代将軍 徳川慶喜』や『実業家 渋沢栄一』が眠る『谷中霊園』。5分ほど歩くと夕日の名所である『夕やけだんだん』に到着します。その階下に真っすぐ延びるのが『谷中銀座商店街』。第二次世界大戦後に“近所の方々に物資を届けたい"という人が自然と集まったことが、今の商店街が形成されるきっかけとなったのだそうです。
全長約170メートル、下町の風情を感じる商店街には個店を中心に約60店が並んでいます。「谷根千(やねせん)ブーム」や連続テレビ小説のロケ地になったことによって観光客が増加したものの、来街者の約8割(平日、休日は約5割)が地元住民とのこと。昔から変わらないのは“店主とお客様とのコミュニケーションを大切にする"という精神。時代が移り変わっても、多くの来街者に愛されている商店街です。
※谷根千:谷中・根津・千駄木の頭文字をとったもの。地域情報雑誌『谷根千』の発行をきっかけに、こう呼ばれるようになった

 台東区 谷中銀座商店街振興組合  台東区 谷中銀座商店街振興組合

各店の特徴をよくとらえた看板は、各店主が東京藝術大学の学生と協力してデザインしたもの(写真上)。屋根の上には、今にも動き出しそうな猫の置物が。遊び心が詰まった点も谷中銀座商店街の特徴(写真下)。

「実は谷中銀座商店街は台東区と荒川区の店舗で成り立っているんですよ」と教えてくださった福島正行理事長は、『丸初福島商店(貝、魚)』の三代目。

世代交代によって、20~40代が理事に就任

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「2016年、理事の大きな世代交代がありました」と福島理事長。「それまで理事会には年配の方が多く、指示に従って黙って手伝うのが若手の立ち位置でした。そのような中、当時の理事長が退任すると、理事も半分ぐらい辞めてしまったんです。さらに次の理事長が就任してから2年ほどで病気を理由に退任。臨時で私が理事長を引き受けたのが2016年のこと。2期目から正式に理事長となりました。ガラッとメンバーが変わり、理事の多くは30縲鰀40代で中には20代もいました。私はずっとこの商店街で商売をしていますが、外の世界を経験してきたメンバーも多く、多様な意見が聞けるのが刺激的です。理事長のトップダウンではなく、それぞれが意見を持ち、交換することで物事が決まっていくようになったというのが大きな変化だと感じています。それぞれ手伝うのではなく、自ら運営するという意識でやっています」と語ってくださいました。

新理事には二代目、三代目のほか、谷中という街のポテンシャルに期待を寄せ、商いを始めたばかりのメンバーも就任。
写真は、年初めの恒例行事『谷中七福神巡り&商店街巡り』の様子。積極的に運営へ参加していらっしゃる皆さん。

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魚屋・肉屋・八百屋のほかスーパーやお惣菜店などがあり、日常の買い物も便利。若い店主も多いそうで「自分の年代が引き継いだばかりですが、下の年代の指導も並行してやらないとと思っています」と福島理事長。

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『夕やけだんだん』の上から見た商店街。夕方になると美しい夕焼けが見られるのだそう。

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人懐っこい猫が悠然と過ごしている姿は、長く変わらない、猫の街・谷中ならではの風景。

イベントは、外部の力を借りずに実施

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「古き良き文化は残しながら、世代交代後は全体的に見直しをしました。例えば、夏のイベントである『谷中銀座祭り』は『谷中ひゃっこい祭り』に名称を変更。テーマを絞ることで、何となくやっていたお祭りの目的が明確になりました」とのこと。下町の涼を伝えるためには・・・と意見を出し合い、約30本の氷柱を通路に並べたり、納涼盆踊りをしたり、思い切り下町の涼を感じてもらえるようなイベント作りに励んでいるのだそうです。
イベント運営は外部の力を借りず、企画・デザイン・設営までのすべてをご自身たちで行っているとのこと。「お客さんとしても、知らない人がやっているより、顔見知りの私たちがやっている方が安心すると思うんです。終わった後も、“納涼盆踊りが楽しかった"“もっとこうしたほうがいいのでは"など伝えやすいでしょうし、共通の話題があることでコミュニケーションをとるきっかけにもなります。イベント中もお店は営業しているので、みんなで交代しながらこなしています」と教えてくださいました。

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『谷中ひゃっこい祭り』で人気の『おもちゃ氷』。大人向けには氷のビアジョッキが用意されるなど、涼しさを感じられるコンテンツが盛りだくさんです。

商店街という文化を次世代に残すことが、使命だと考えています

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最後に今後についてうかがうと「海外にも商店が集積しているエリアはあると思いますが、地域活性化のために組合を作って何かを発信するというのは、日本ならではの文化だと思います。買い物というと、大型の商業施設やデパートでもできますが、日本の発展に商店街は欠かせない存在だったと思うんです。ですから、商店街をよく知らないという人にも知ってもらいたいという気持ちがあります。商店街(個店)の強みは、個性(専門性)、オリジナリティー(独自性)、お客様との信頼関係です。これからも人と人とのつながりを大切にし、商店街という文化を次世代に残していくことが、私たちの使命だと考えています」と力強く話してくださいました。

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商店街という枠だけでなく、主に日暮里駅の西側にある商店街や店舗を営んでいる方々と協力し「一歩会」という組織を結成。今後は、地域を盛り上げる取り組みにも力を入れていかれるそうです(写真は一歩会に属する『よみせ通り商栄会』)。

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商店街イベント

七福神巡り&商店街巡り、びっくり市、中元期大感謝祭、谷中ひゃっこい祭り、歳末期大感謝祭など

入会メリット

ホームページへの掲載、看板掲出、各種イベントへの参加など

商店街情報

  • 商店街名 谷中銀座商店街振興組合
  • アクセス JR山手線、JR常磐線、日暮里・舎人ライナー、京成線「日暮里」駅より5分 東京メトロ千代田線「千駄木」駅より徒歩5分
  • 住所 台東区谷中3-13-1(谷中銀座商店街振興組合)
  • TEL 03-3822-2315(丸初福島商店)
  • FAX
  • URL https://www.yanakaginza.com/

※掲載の情報は2020年06月時点のものです。