商店街内に位置する鉄筋4階建ての十条銀座商店街会館は、1965年7月に落成した組合所有の建物です。１階はテナントに貸し出し、2階は事務局・ホール・応接室・放送設備・公衆トイレ、3・4階は貸室・倉庫のほか賃貸アパート19室となっています。
22名で構成されている理事会には、40代・50代の若い理事も多いそうで「事業部会では、年代問わずいつも活発な意見交換がなされています。トップダウンではない組織だからこそ、活気が保てているのではないでしょうか」と教えてくださったのは石井さん。 商店街では年４回、季節に合わせた「福引大売り出し」に加えて、5月には子ども向けに「ちびっこ縁日」を開催。10月の「ハロウィンパレード」も好評で、優秀な仮装をした人には表彰状が送られるなど、“また参加したい！”と感じてもらえるようなイベントを定期的に開催し、利用者増につなげています。

2018年歳末福引大売り出しのひとコマ。空くじなし・賞品総額400万円で、プレミアム賞(5本)には3万円分のお買い物券か人気のゲーム機本体が景品として用意されていました。

5月にある「ちびっこ縁日」は、フジサンロードを通行止めにして開催。各店舗がスパーボールすくい、金魚すくい、チョコバナナなどを出店する、近所の子どもたちが毎年楽しみにしているイベントです。

毎年の恒例イベント、ハロウィーンパレード。子どもも大人も仮装して商店街を練り歩きます。

2018年に新キャラクターとなった「キタニャン」はいたるところで商店街をアピール。公募でデザインを募集したのだそう。

商店街の環境整備にも積極的で、2018年12月現在、防犯カメラ34台、街路灯22基が設置されています。2017年度には北区商店街無料公衆無線ＬＡＮ整備事業として北区から補助金を受けて、商店街の入口にＷｉ-Ｆｉを設置するなど、時代のニーズにもしっかり応えて利便性の向上につとめています。
老舗が多く営業しているのが十条商店街の特徴のひとつでもありますが、2代目・3代目が頑張っているというのがその背景にあります。「比較的世代交代がうまくいってるお店が多いですね」と石井さん。チェーン店が多くなりがちな商店街で、しっかりと馴染みの味を受け継ぐ店が多いのは、十条銀座商店街の良さでもあります。

今後の抱負をお聞きすると「十条エリアは、高齢化が進んでいます。商店街にいらっしゃるお客様も年配の方が多いので、この層が昔ながらの楽しみ方で喜んでいただけるようなサービスを提供したいと考えています。例えば、大売り出しのくじは三角くじだけではなく、昔懐かしいガラガラのときもあるんですよ。これからも、変わらないことの良さのようなものを提供していきたいと思っています。一方で、次世代の利用者も増やしていかなくてはなりませんので、若年層向けのイベントも考えなくてはと思っています。
駅前の再開発が決まっていて、約40階建ての商業施設ができる計画があります。それぞれで頑張るのではなく、連携しながら十条の活性化に貢献できたらいいですね」と語ってくださいました。