商店街紹介 墨田区 向島橘銀座商店街協同組合

奇跡的に戦火を逃れたエリア。「墨田のアメ横」として繁栄

墨田区 向島橘銀座商店街協同組合

関東大震災や東京大空襲によって、甚大な被害を受けた東京下町エリア。墨田区の京島地区にある現向島橘銀座商店街付近は奇跡的に被害を逃れ、いまだに大正時代の長屋や昭和時代の佇まいが残る地域となっています。
戦後まもなく、当時の庶民にとって唯一の娯楽だった映画館が誕生。買い物と映画が楽しめる街として大変な賑わいをみせ、「墨田のアメ横」とも呼ばれていたそうです。
1960年になると「向島橘銀座商店街協同組合」を結成。地元密着型の商店街として下町人情を大切にしながら発展し、1985年に「下町人情キラキラ橘商店街」という愛称が名付けられました。2014年には経済産業省「がんばる商店街30選」にも選ばれ、現在は、惣菜店、生鮮三品を扱うお店、衣料品店など約80店が元気に営業中。郵便局、公園、キラキラ会館(墨田区の地域集会所)などもあるので、買い物以外で訪れる人の姿も多くみられます。
大正時代や昭和初期から続く店もあり、レトロな雰囲気を醸し出している商店街です。

 墨田区 向島橘銀座商店街協同組合  墨田区 向島橘銀座商店街協同組合

2013年には商店街事務所を改装し、トイレやATMを備えたお休み処が誕生。飲食持ち込み自由の地域住民憩いの場となっており、10時から18時まで年中無休で開設。

「駅から離れている商店街なので、やっぱり地域住民には活用してもらいたいですね」とお話をうかがった大和和道事務局長。

空き店舗を活用した、「すみまめカフェ」や「キラキラ茶屋」が新たな地域拠点に

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長い間空いていた店舗を改装し、「すみまめカフェ」がオープンしたのは2015年4月のこと。カフェでお茶を飲むだけでなく、介護相談ができるのが特徴で、介護を身近に感じてもらえるきっかけにもなっているようです。土日にオープンしているのもメリットのひとつ。平日は仕事で区役所などの相談窓口に行けない層の利用も期待できます。入口付近には墨田区内で作られている工業製品や食品が展示販売されており、墨田区のアンテナショップといった機能も。
介護についてどこに相談していいかわからない、まだ介護には直面していないけれど話だけは聞いておきたい、という方は一度訪問してみる価値がありそうです。

地域福祉プラットホーム「キラキラ茶屋」は小さな子供や高齢者までが幅広く使えるコミュニティスペース。社会福祉協議会の職員が常駐しており、地域住民の交流や相談の場として利用されています。

すみまめカフェの店内。黒板になっている壁には、お知らせだけでなく店内で扱っている商品の拠点マップが描かれている。

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店内奥にある、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所のスペース。ここで専門家による介護相談が受けられる。

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物づくりの街としても有名な墨田区。店内には革製品工場やスプリング工場などの高い技術が光る商品が並ぶ。

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「キラキラ茶屋」の外観。開所曜日・時間は、月~金曜日の11時~16時で、火・木曜日の時間内は社会福祉協議会の職員による無料相談が受けられる。

従来の枠にとらわれず、時代にマッチした商店街のありかたを模索

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「商店街は商品をただ売るだけでは、大型店にはかないません。時代にマッチしたサービスを提供し、地元に根付く商店街としての役割を果たすことが重要です」とおっしゃるのは大和和道事務局長。大学院で教鞭をとる傍ら、ご自身が長い間商売を続けていたこの商店街を活気づけようとしている立役者です。「最近は共働き夫婦が多いのに、出勤時間と帰宅時間は商店街のお店がほとんど閉まっています。土日休みの店舗もあるから、どんな店があるのか知らない人が多いのも事実。また、夜間商店街が明るいのは、防犯のために商店街組合が街路灯を設置しているからで、“商店街には物を売るだけではない役割がある”ということも認知してもらえるようにしたいです」とのこと。まずは足を運んでもらい、知ってもらうことが大切という考えから、日曜日開催のイベント企画やスーパーの誘致をけん引し、さまざまな層を取り込むことに尽力しています。

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店員とお客さんは顔なじみ。会話をしながらの接客や道行く人とあさいつを交わす姿も。

大学生や高校生と協働。長い目で見た将来設計も

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大学生にはイベントのスタッフとして参加してもらうだけでなく、地域の子供たちを楽しませるバルーンアートなど大学生自らブースも出店。さらに、イベントのチラシは大学生の作品を起用するなど、自ら考えて活躍できる場を提供しています。大学生にとってはこの活動記録が就職活動にも役立つようで、互いにウィンウィンの関係となっているとのこと。全国に2校しかない産業科がある高校に通う生徒には、自分で作った作品の流通から販売までを体験できる機会を設け、今では商店街と高校とのイベントとして定着しています。

2020年、西吾嬬小学校と曳舟中学校の跡地にICT専門職大学が開校。2021年、ICT専門職大学の隣接地に千葉大学が墨田キャンパスを設けることも決まっており、学生が増えた時のことも考えた街づくりを目指しています。「目の前のことでなく、2年、3年、10年先と未来を見据えています」と大和和道事務局長。これから先、街の変貌が楽しみです。

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ボランティアの大学生が手書きで作成したイベントのチラシ。吹き出しやイラストで賑わった感じを上手に表現している。

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商店街イベント

朝市、びっくら市、つまみぐいウォーク、ワイワイウィーク、中元福引大売出し、七夕まつり、夜市、歳末福引大売出し、歳末びっくら市、イルミネーション点灯、帰ってきたキューピットガールズによるステージなど

入会メリット

商店街が発行する共通商品券・金券の取扱い、墨田区で行う販促事業への参加やその時発行される金券の取扱いが可能、商店街のホームページへお店情報掲載可

商店街情報

  • 商店街名 向島橘銀座商店街協同組合
  • アクセス 京成線「京成曳舟」駅より徒歩5分、東武伊勢崎線「曳舟」駅より徒歩7分、東武亀戸線「小村井」駅より徒歩10分
  • 住所 墨田区京島3-49-1(下町人情 キラキラ橘商店街事務局)
  • TEL 03-3612-2258(下町人情 キラキラ橘商店街事務局)
  • FAX 03-3612-2258(下町人情 キラキラ橘商店街事務局)
  • URL http://kirakira-tachibana.jp/

※掲載の情報は2018年03月時点のものです。