TOKYOの商店街で開業したい人必見!
こんな商店街・あんな商店街の
魅力発信コンテンツ
VOL. 78

ニュー北町商店街振興組合編
ニュー北町商店街振興組合
徳川綱吉ゆかりの地にある商店街

東武東上線「東武練馬」駅から徒歩5分のところにあるニュー北町商店街。旧川越街道沿いに25店舗が並ぶ商店街で、飲食店が半数以上を占めています。商店街がある一帯は、かつて宿場町「下練馬宿」として栄えた場所。また、五代将軍綱吉が館林藩主時代に御殿を建てて脚気の療養をしていた場所でもあり、「徳川綱吉御殿跡」などの史跡が残っています。
振興組合が発足したのは、1991年(平成3年)のこと。「下練馬宿まつり・将軍綱吉と練馬大根」(練馬だいこん献上絵巻 再現劇)など人がたくさん集まるイベントを行ってきましたが、コロナ禍によって実施ができなくなってしまいました。そこで新しいイベントを企画されたそうです。
今回は、第18回東京商店街グランプリ優秀賞、コロナ禍で実施した「徳川御殿・鷹狩りショー」についてお話を伺ってきました。

  • ニュー北町商店街振興組合
    今回お話を伺った、村上悦榮理事(左)と大野裕之理事長(右)。
  • ニュー北町商店街振興組合
    「本陣跡地緑地」内にある「練馬献上大根碑」。金色なのは、大根を献上した「庄屋・金兵衛さん」の「金」にちなんでいるのだそうです。
  • ニュー北町商店街振興組合
    様々なイベントで使用される「練馬区立北町上宿公園」。江戸時代を思わせる「なまこ壁」が印象的でした。
コロナ禍でもできるイベントを検討

コロナ禍前は、地域住民が演者となって「下練馬宿まつり・将軍綱吉と練馬大根」(練馬だいこん献上絵巻 再現劇)が行われていました。多くの人でにぎわう地域の人気イベントでありましたが、三密(密閉、密集、密接)が叫ばれるようになり、その実施が不可能に。そこで、コロナ禍でもできる他のイベント案を検討されたそうです。「綱吉が将軍になったあと、度々御殿を訪れて鷹狩りをしていたという記録が残っています。そこで、鷹狩りをテーマにした、三密にならないイベントを考えようとなりました」とのこと。そのような中、たまたま鷹匠が近所に住んでおり、依頼をしたところ快く引き受けてくださったそうで「徳川御殿・鷹狩りショー」の実施へ向けて着々と話が進んでいきました。

ニュー北町商店街振興組合
2023年の告知チラシ。商店街と鷹狩りという一見ミスマッチな組み合わせがインパクト大です。
SNSやYouTubeを使いながら、来街者を増やすことにも成功

「実施にあたっては、SNSやYouTubeを積極的に活用しました。また、イベントを実施して終わりではなく、商店街の利用促進になるようなことも盛り込むことにしたんです」と大野理事長。
イベントの告知はLINE(SNS)にて発信し、ペーパーレス化を実現。当日は、「鷹狩りショー」(全3回)、「鷹匠体験」、「鷹とのふれあいコーナー」を実施したそうですが、参加は事前申し込み制として三密を回避したとのことです。そして、さらにポイントとなるのが、後日スタートさせたというYouTubeでの動画配信。イベント動画の最後に表示された番号を入力すると、景品がもらえる権利が得られるという仕組みを構築。景品は実店舗でしか受け取ることができないため、自ずと商店街の利用者が増えるという流れです。「LINEの登録者数が増えたので、プッシュ型の情報発信ができるようになりました。今では、地域の情報などもこのLINEを使って発信しています。地域全体のつながりも創出できました」と効果について語ってくださいました。

ニュー北町商店街振興組合
丁寧にLINEの登録方法や動画までの動線が説明されたチラシ。
新しい人や若い人が出店したいと思う商店街づくりへ

「新しい人や若い人が出店したいと思う商店街づくりの一環として、何か特徴のあることは続けないといけないと思います。補助金を使いながら『徳川御殿・鷹狩りショー』と歳末イベントを絡めて実施するなど、合体企画なども検討しているんです」と村上理事。今後も伝承や歴史を取り入れた、ニュー北町商店街でしかできない唯一無二のイベントで、地域とつながっていかれることでしょう。

ニュー北町商店街振興組合
鷹と鷹匠が大活躍したイベントの様子。参加者は普段できない体験に大喜びだったそうです。
近隣の空き店舗を探す