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VOL. 74

仲宿商店街振興組合編
仲宿商店街振興組合
古くから多くの人が暮らすエリアにある商店街

都営三田線「板橋区役所前」駅から徒歩2分のところにある「仲宿商店街」。旧中山道の最初の宿場町「板橋宿」に沿って南北にのびている生活商店街で、約130店の加盟店が元気に営業しています。店主とお客さんとが親しく会話を交わす姿が見られるなど、地域にとってなくてはならない存在です。
板橋宿は江戸時代に設置されましたが、「板橋」の名は800年ほど前から引き継がれており、古くから多くの人が暮らしていました。その後、住民や旅人のニーズに応えるために自然と商店が集まるようになり、1949年(昭和24年)に47会員で「仲宿商店会」を結成。「仲宿商店街振興組合」が発足したのは、1988年(昭和63年)のことです。
今回は、仲宿商店街振興組合 星野久男理事長に、イベントや商店街内にある古い空き店舗の活用事例、板橋区のデジタル地域通貨「いたばしPay」などについて語っていただきました。

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    今回お話を伺った星野理事長。就任は2017年(平成29年)、5代目でいらっしゃいます。
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    星野理事長が2代目という「星野家具店」。創業70年を迎えた老舗です。
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    石神井川に架かる「板橋」。橋付近は川に沿って桜並木となっています。
補助金を活用して、来街者が喜ぶ参加しやすいイベントを開催

仲宿商店街振興組合が発足してからは、区からの補助金を活用し、中元や歳末時期に実施するスタンプラリーなどのイベントを充実させています。このイベントは、期間内に専用のスタンプカードへ7店舗分のスタンプを集めたらポストへ投函するというもの。厳正なる抽選を実施し、1等が当たると50,000円分の板橋区内共通商品券が受け取れます。「必要事項を記入して投函するというシンプルな方法にすることで、誰でも参加しやすいようにしています。スタンプを押す際の金額に下限はありませんが、必ず7店を回らないと応募できないという点で、商店街にある店舗の利用促進につながるというのも狙いです」と星野理事長。毎回楽しみにしている人も多く、平均して2,000枚ほどの応募がある、商店街の恒例イベントとなっています。
ほかにも、ハロウィンの時期には「ハロウィンフェスティバルIN仲宿」を開催。商店街内が歩行者天国になる16~19時の時間帯に、仮装をして合言葉(トリック・オア・トリート)を言うと、その場でお菓子がもらえるというもの。当日は道が親子連れでいっぱいになるほど、多くの参加があるそうです。

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スタンプラリーの開催期間は約1カ月。上記は過去に実施したときのチラシで、新聞に折り込んだり、店頭へ掲示したりして告知しています。
有形文化建造物に指定された空き店舗活用

「10年ほど空き店舗になっていた、築100年以上になる古い米屋の建物がありました。2020年(令和2年)に有形文化建造物に指定されたのですが、そこを板橋の文化発信の場やコミュニティスペースとして、区の協力のもと商店街が旗振りをして活用していくことになったんです」と星野理事長。町おこしの専門家がオーナーとなってプロジェクトを牽引する形で、2019年(令和元年)12月に屋号を「板五米店」としてオープンしました。しかし、コロナ禍によって当初の計画通りに進めることはできず、今年になってやっと、子どもたちが昔の遊びを楽しめるイベントや学芸員のガイドがついた建物の見学ツアーなどが行われたとのことです。普段は、テイクアウト用のお弁当を販売したり、店内にイートインスペースを設けたりして営業を続けています。
「店舗オーナーの考えを尊重しながら、軌道修正ができたらと思っています」と、星野理事長は今後のことを教えてくださいました。

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商店街内でもひときわ存在感を放つ「板五米店」。建物の古さは際立っていますが、ほかにも100年を超えて、この地を拠点としているオーナーがたくさんいるそうです。
区商連の取り組みも積極的に活用し、消費を上げていきたい

商店街全体の話として今後の展望についてお聞きすると、「コロナ禍の影響は少なくなってきたと思いますが、今度は物価高で消費が落ち込んでいます。こういった現状の中、区商連スクラッチキャンペーンや板橋区のデジタル地域通貨『いたばしPay』なども上手に活用しながら、消費の落ち込みを食い止めたいです。ただ、『いたばしPay』を導入しているお店は現状約40店舗です。まだまだデジタル化に抵抗を感じてしまう店主がいますが、今後はもっと普及促進していきたいですね」と語ってくださいました。これからも、従来の方法、新しいことのどちらかに偏ることなく、商店街、利用者にとって最適な運営をされていくことでしょう。

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生活商店街だけあって、夕方に差し掛かると買い物客が多くなってきました。
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