商店街紹介 葛飾区 柴又帝釈天門前参道商店街神明会

5代目・6代目の店主が歴史を守る商店街。松竹映画『男はつらいよ』シリーズのロケ地としても有名

葛飾区 柴又帝釈天門前参道商店街神明会

葛飾区の中では最も古いという、柴又帝釈天門前参道商店街。柴又帝釈天の参道に並ぶ門前町として栄え、日用品を販売しているというより、参拝客や観光客向けのお土産店が並ぶ商店街として栄えてきました。第二次世界大戦の戦火を逃れたことで、古い景観が残っているのも特徴。店舗数は52店舗となりますが、その約7割が店舗兼住宅という昔ながらのスタイルを保っています。“店を継ぐのが当たり前"という5代目・6代目の店主が多く、お団子屋・煎餅屋・川魚料理屋など、お店のラインナップは大きく変わっていないとのこと。店ごとに違った製法での手作りが自慢で、一口にお団子屋といっても、常連の来街者それぞれにひいきのお店があるのだそうです。
葛飾柴又といえば、松竹映画『男はつらいよ』シリーズのロケ地としても有名。主人公の寅さんや山田洋次監督、出演者、スタッフとの深い縁を大切にしてきた商店街でもあります。

 葛飾区 柴又帝釈天門前参道商店街神明会  葛飾区 柴又帝釈天門前参道商店街神明会

石川会長が経営されている、葛飾柴又 草だんご『髙木屋老舗』。参道の両側に建つ木造瓦ぶきの建物は、明治と大正時代に建てられたもの(上)。柔らかい食感がクセになるお団子は店内でも楽しめます(下)。

「約20年、毎年約2カ月間、『男はつらいよ』の撮影が行われていました。山田洋次監督とは親戚のような感覚ですね」と、今回お話をうかがった石川宏太会長。

“いつまでも変わらない風景や人情"をテーマとした『寅さんサミット』を開催

葛飾区 柴又帝釈天門前参道商店街神明会

「『寅さんサミット』というイベントを始めて今年で6回目となります。山田洋次監督が“日本の原風景や人情は財産。一緒に残していこう”と常々おっしゃっていたのがきっかけです。映画『男はつらいよ』が繋いでくれた縁のもと、同じ思いを持った全国のロケ地が柴又に集い、広場にブースを出展し、地域を紹介しながら特産品を販売。さらに、監督や俳優の倍賞千恵子さん、佐藤蛾次郎さんなどの映画出演者をゲストに迎え、各地域の代表者が参加し「原風景」をテーマにしたシンポジウムや、地域PRなどを楽しんでいただけるイベントです。2019年は2日間で約8.5万人の来場者と例年順調に開催してきたのですが、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大によって、同じような形式での開催は難しくなってしまいました。そこで、開催期間を約2週間に延長し、寅さんサミット公式ホームページで各地域の美しい風景や特産品などをご紹介いたしました。ほかにも地域とのコラボメニューの販売、オリジナルグッズがもらえるポイントラリー、各地特産品の販売と形を変えて開催したんです。監督や倍賞千恵子さんのコメントは動画配信させていただきました。今後も寅さんが愛し、葛飾柴又が大切にしてきた“いつまでも変わらない風景や人情”をさまざまなシーンで発信し、大切にしていきたいですね」と語ってくださいました。

2020年11月28日(土)~12月13日(日)まで開催された『寅さんサミット』のチラシ。シールを集めると枚数によって、ステッカー、クリアファイル、ピンバッジがもらえます。

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寅さんサミット公式ホームページ。従来のやり方はできなかったものの、今できることを話し合い、オンラインで情報を発信するという選択をしたそうです。

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寅さんサミット限定の地域コラボメニューの一部。6地域の特産品と柴又グルメをミックスしたコラボメニューは全16種あり、スイーツ、おでんなど多様なラインナップ。

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葛飾区観光協会「下町や」の横に設置された、特産品販売所。今年は各地域から商品だけを取り寄せ、販売は一括して行いました。

外観はそのままでも、安心・安全対策は常に実施しています

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「建物の外観は昔と変わらない印象を保っていますが、耐震工事・防火対策・セキュリティー設備の導入などはしっかり行っています。電線の地中化、防犯カメラの設置、バリアフリー化など街中の整備も進めてきました」と、原風景を大切にしながらも、来街者の安心・安全は常に考えているとのこと。定期的に防災訓練を実施し、放水や消火活動ができるようにもしているそうです。また、昔からお日様があがったらお店を開けるというスタイルで、店の前を通る通勤・通学中の住民を見守っているとのこと。「人情や対面販売って価値がないと思われる時代もあったように感じますが、最近はそういったものが見直されている印象です。葛飾柴又はずっと同じスタイルでやってきたので、時代が追いついてきたという感じでしょうか。これからも時代の変化はあると思いますが、葛飾柴又は変わることなく商売を続けていきます」と教えてくださいました。

葛飾区 柴又帝釈天門前参道商店街神明会

段差や電柱がなくすっきりとした街並み。新型コロナウイルスの感染予防対策としては商店街で共通ルールを設け、全店徹底して実施しているとのこと。

“スーツと時計が似合わない街"。来街者の方が、どこかホッとできる景観を残していきたいです

葛飾区 柴又帝釈天門前参道商店街神明会

今後についてお伺いすると「松竹映画『「男はつらいよ』が初めて公開されたのは1969年(昭和44年)のことです。葛飾柴又といえば寅さんということで、私たちも助けられてきました。ほかにも、細川たかしさんが歌う『矢切の渡し』が流行った時は日曜や祭日は歩けないくらい人出がすごかったんですよ。こうしたブームのようなものに支えられてきた商店街ですが、寅さんや矢切の渡しをリアルタイムで知らない世代も増えてきました。今後は、外的なブームだけに頼るのではなく、文化的価値のある街並みを次世代に継承していくことにより力を入れていきたいですね。“スーツと時計が似合わない街"とでもいいましょうか。来街者の方がどこかホッとできる景観を残すことが使命だと思っています」とのこと。2018年(平成30年)には日本を代表する景観地として、国の重要文化的景観に都内で初めて選定された葛飾柴又。今後も人情に触れながら、変わらぬ風景に癒される商店街として後世に残っていくことでしょう。

葛飾区 柴又帝釈天門前参道商店街神明会

温かい接客や声掛けなど、人情溢れる商店街。「変わらないことの大切さ」を再認識できる懐かしい街並みです。

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商店街イベント

さくらまつり、寅さんの日(毎月10日)、寅さんの夕べ、寅さんまつり、寅さんサミットなど

入会メリット

イベントへの参加、ホームページへの掲載など

商店街情報

  • 商店街名 柴又帝釈天門前参道商店街神明会
  • アクセス京成金町線柴又駅よりすぐ
  • 住所 葛飾区柴又
  • TEL 03-3650-9876(柴又参道商店会 事務局(葛飾区観光協会))
  • FAX 03-5693-1658(柴又参道商店会 事務局(葛飾区観光協会))
  • URL http://shibamata.net/

※掲載の情報は2020年12月時点のものです。