商店街紹介 渋谷区 十号通り商店街振興組合

長く地域に密着した営業を継続。幅広い年齢層に支持される商店街

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京王線「笹塚」駅北口を出て、甲州街道を渡ったところにある十号通り商店街。甲州街道(国道20号)から水道道路まで約200メートル続く商店街には、家電販売店・カメラ店・青果店などの路面店が約60店並んでいます。昭和初期から続く老舗も残っているなど、長い間地域に密着した営業を継続。店頭では、店員さんと楽しそうに話をする常連客の姿も見られました。来街者は地元住民だけでなく、近隣にある企業に勤務する従業員が多いのも特徴で、平日の日中から賑わいをみせています。店舗によって差はあるものの、若年層から高齢者まで幅広い年代に利用されている商店街です。
十号通り商店街振興組合になったのは1967年のこと。「近くて便利、明るい暮らしのお手伝い」と掲げ、イベントや商店街内の安心・安全整備などにも積極的に取り組んでいます。

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『でんきのあきもと』(上)は丁寧な接客と細かな配慮が魅力。『カメラのタカヤ』(下)へは、ネガフィルムの現像・プリントを希望する来店者もいらっしゃるのだそう。

「振興組合になる前から数えると、理事長としては18代目です。タバコ屋からスタートし、日用雑貨店、家電販売店と業態を変えてはいますが、1933年より代々商売をしています」と今回お話をうかがった秋元浩理事長。

地元住民に定着している多彩なイベント

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「商売はもちろんのこと、イベントを充実させるなど常に地域の方々のことを思ってやっています」と秋元理事長。子どもから高齢者まで幅広い層が楽しみにしているというのが、『歳末福引感謝祭』期間中に行われる福引です。「空くじはなし、1等は10,000円分の商店街商品券です。3,000円分のお買い物(補助券300円×10枚)でくじが1回引けるというシステムで、“あといくら買えばもう1回できる”と考えてくださるお客さまが多く、この期間はその分売り上げが伸びます。私は家電販売店を営んでいるのですが、このタイミングで比較的大きな金額の商品が動くんです」とのこと。
また、夏休みの最終日曜日には、渋谷区や都の補助金を活用して『ちびっこまつり』を開催しています。「サミットストアの敷地ではFC東京と提携してPK合戦を実施。商店街内に設置されているゲームで点数を集めると、夕方行われる大抽選会に参加でき、おもちゃがもらえます。このゲームは器用な組合員の手作り。出店協力なども多く、みんなで作り上げているおまつりです」と話してくださいました。

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福引の補助券が配布される『歳末福引感謝祭』の期間は2週間。後半の1週間に福引が開催されます。

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2018年度の『ちびっこまつり』の様子。金魚すくいやヨーヨー釣りなどのほか、工夫をこらしたゲーム、各種飲食店などが並び、毎年大盛況のイベントとなっています。

商店街継続のために、店舗賦課金規定の見直しを実施

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店舗賦課金規定の見直しを実施されたという秋元理事長。「地元の皆さまに愛されている商店街。そのためにも継続するには?という点を常に模索しています。そこで重要なのが運用費や固定費の確保です。私が就任したときは、既存店と新規店の賦課金に差がありました。このままだと、不満を感じる店舗や組合に入りたがらない店舗も出てきて、賦課金の徴収が難しくなるのではと思ったんです。そこで2013年に賦課金改定委員会を立ち上げ、店舗坪数によって月賦課金を設定する案を提案し、2014年に可決承認を得ました。賦課金が上がってしまう店舗もあり、正直なところその反応はどうかなと思っていました。でも、発案者自らが大幅なアップを受け入れたことで“うちもあがったけど会長のところはさらに値上がりしたし・・・”と納得していただけましたね。入会時の説明もしやすく、基準を明確にして良かったです」と、経緯や実施後の反応などを教えてくださいました。

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老舗が並ぶ通りの様子。花の装飾やのぼり旗は、季節やイベントごとに組合員自ら取り換えるのだそう。

安心・安全や思いやり、助け合いに配慮した商店街作りに尽力

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来街者に対しては安心・安全についても配慮されているといいます。「毎年3月には町内会と連携して防災訓練を実施しています。また、大規模な災害発生時には消防隊がすぐに到着できるとは限りません。そのようなとき活用できるようにと、商店街内5カ所に『スタンドパイプ』を設置しました。“消防車が侵入できない場所でも消火活動ができる”というのもメリットですね」とのこと。
「65歳以上の希望者には『おもいやり手形』を発行しているんです。氏名・緊急時の連絡先・かかりつけの病院などが記載されているので、携帯することで万が一のときに役立てていただくのが狙いです。現在会員は1,000人以上。敬老の日に紅白まんじゅうを配布したり、一部店舗でサービスを受けられたりなどの特典があります。
高齢者向けに、西原・幡ヶ谷・笹塚エリアにある商店街や地域包括センター、民生委員さんと協同で年9回『ささはたカフェ』を開催しています。イベントなどを通して高齢者と交流したり、様子を確認したりしているんです。当店は高齢のお客さまが多いのですが、例えば期間をあけずに冷蔵庫を買うなど認知症と思われるような症状が見られたら、ささはたカフェで知り合った民生委員さんに相談するということもしています。これからも地域とつながりながら、さまざまなことに取り組んできたいです」と語ってくださいました。

※道路上にある消化栓や排水管に差し込み、ホースをつないで消化を行う消火器材のひとつ。

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『ささはたカフェ』にも使われている『十号いこいの場』には、トイレ・オムツ換えシートが用意されています。休憩スペースとしての利用もできるとのことです。

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※掲載の情報は2020年1月時点のものです。