商店街紹介 江東区 豊洲商友会協同組合

埋め立て地が工業地帯として発展。近年は住宅地として注目のエリアにある商店街

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その昔は海だった豊洲。明治政府が隅田川河口改良工事の一環として埋め立て事業を行い誕生したエリアです。
1939年にIHIの造船所ができたのを機に、さまざまな工場が建ち並ぶようになり、工業地帯として栄えていきました。そして、1956年に東京ガス豊洲工場、1958年に東京電力新東京火力発電所が操業すると埋め立てはさらに拡大し、多くの従事者で街の賑わいが増すようになりました。
1988年に営団地下鉄有楽町線(現、東京メトロ有楽町線)の「豊洲」駅が開業すると、そのアクセスの良さから“住む街”としての側面が見られるようになります。以降、2006年にゆりかもめ「豊洲」駅や横浜へ移転したIHIの造船所跡地に大型商業施設が誕生したころから高層マンションの建設ラッシュが進み、1校しかなかった小学校が3校に増えるなど子育て世代を中心に注目される街へと変貌しました。2018年10月に開場した「豊洲市場」も有名なスポットです。
そんな豊洲の地に、豊洲商店街が誕生したのは1949年のこと。現在は、約60店の飲食店や物販店が軒を連ね、さまざまな活動にも取り組んでいます。今年は70周年を迎えるとのことで、記念行事なども企画されているのだそうです。

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晴海通り沿いに続く商店街の街並み。きれいに舗装された歩道は広々としていて歩きやすい(上)。 豊洲で数少ない戸建て店舗として営業している「菅谷精米店」(下)。

今回お話をうかがった、『みつばちプロジェクト』のメンバーである小掠さん(左)と譲原さん(右)。「昔は、造船所や砂糖工場、鉄工所などがありました。工場が撤退する前は、工場で働く人たち向けのお店が多い商店街でしたが、今はお店の構成も様変わりしましたね。豊洲は四方が水に囲まれた立地。その立地を生かして水辺に親しむイベントなども開催しています」。

豊洲を盛り上げたい!という思いでスタートした『みつばちプロジェクト』

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「地産地消できて何か名物になるものはないかなと探していました。そのような中、銀座のビルの屋上で養蜂をやっているという『銀座みつばちプロジェクト』の話を聞いたんです」とプロジェクトの中心メンバーである譲原(ゆずりはら)さん。ミツバチというとその危険性などに心配はなかったのかとお伺いすると「まずはなんの知識もなかったので、銀座へ視察にいったり、養蜂講座に参加したりして情報を集めました。そこで、ミツバチが興奮するようなことさえしなければ攻撃してこないということを学びました。扱い方も理解してうえで、プロジェクトを始動させたんです」と教えてくださいました。
こうして、2013年より蜂蜜の商品化による街の活性化を目的に『みつばちプロジェクト』をスタート。豊洲駅前交差点の角にある8階建てのビルの屋上で、8名のメンバーが週1回のペースで採蜜を行っています。採取した蜂蜜は瓶詰やお菓子などの加工品として商店街の店舗で販売しているそうです。

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商品名は『豊洲はちみつ』。商店街の店舗だけでなくイベントでも販売している。100g(税込800円)、50g(税込450円)の2種類がある人気商品。

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蜂蜜は、季節や天候などによって、色、味、香り、糖度が変わってくる。

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ビルの屋上に設置された巣箱。働き蜂たちは、ここから2~3㎞先まで蜜や花粉を採取しにいく。

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巣箱がある屋上からの眺め。高層マンションや商業施設が広がっている。

巣箱の中にある巣板がミツバチの生活場所。女王蜂の産卵数は1日に約1,000~2,000個と驚きの数字

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毎年春になると『トウヨウミツバチ協会』からミツバチが入った巣箱が届き、その年の養蜂がスタートするのだそう。「巣箱は木製で、上部にフタがついています。中には8~10枚の巣礎を貼り付けた巣枠が収納できるようになっています。この巣枠がミツバチの生活する場所で、そこにミツバチたちが六角形の巣をつくりあげていきます。箱の下にある隙間は巣門といって、ミツバチが出入りする場所です。今は巣箱が4軍あって、各箱には15,000~16,000匹が生活しているんです」とのこと。
働き蜂の寿命は1カ月。1箱に1匹しかいない女王蜂は働き蜂に比べて体が大きいのが特徴ですが、卵の状態では働き蜂と同じなのだそうです。女王蜂になるのは、特別な部屋でローヤルゼリーを与えられたミツバチ。毎日約1,000~2,000個の卵を巣に生み落として、群れの数を保っているということです。
「働き蜂の最初の仕事は子どものお世話。そのあと巣や蜂蜜作りに従事したら、最後は蜜や花粉を採取する仕事を任されます。約1カ月の生涯を休む間もなく働き続けるんですよ」と働き蜂の一生を教えてくださいました。

※六角形の模様が圧印された板。これがあることで、きれいな形の巣が形成される。

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雄蜂の仕事は、女王蜂と交尾することだけ。敵から群れを守るようなこともしないということ。

採蜜はすべて手作業。多いときは20㎏ほど採取できることも

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採蜜の手順としては、まずは防護服を着用すること。刺激しなければ攻撃はしないというものの、天候や気圧の関係で機嫌の悪い時もあるのだそう。このような理由から、素肌は見せないようにすることがポイントだとか。
「蜜がいっぱいになるとミツバチが蓋をしてしまいます。そこで蜂蜜を取りだすためにナイフで蓋を削るんです」と小掠さん。蓋を取った巣板は手動の遠心分離機を使って、遠心力によって蜂蜜を取り出します。採取量は天候などによっても異なるそうですが、多いときは20㎏ほど採取できることもあるということです。
今後についてお聞きすると「2020年に開催される、東京オリンピック・パラリンピックの競技会場が近く、まずます注目されるエリアになります。これからも『みつばちプロジェクト』を継続して定着させていきたいです」と語ってくださいました。

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写真左上部の白濁色の部分が蓋をされている状態。東京では春から秋までが採蜜のシーズン。

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商店街イベント

エイプリルフール in 豊洲、江東湾岸まつり、豊洲ハロウィンパレード、年末感謝祭(大抽選会)など

入会メリット

各種イベントへの参加、商店街ウェブサイトへの掲載など

商店街情報

  • 商店街名 豊洲商友会協同組合
  • アクセス 東京メトロ有楽町線「豊洲」駅4番出口すぐ、ゆりかもめ「豊洲」駅南口徒歩1分
  • 住所 江東区豊洲4丁目
  • TEL 03-3532-5231(事務所)
  • FAX
  • URL http://www.toyosu.or.jp/

※掲載の情報は2019年5月時点のものです。