商店街紹介 墨田区 鳩の街通り商店街振興組合

前身の「寺島商栄会」は1928年(昭和3年)設立。90年の歴史を誇る商店街

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東武スカイツリーライン「曳舟」駅より徒歩約5分のところにあるのが「鳩の街通り商店街」です。
前身は、1928年(昭和3年)に設立された寺島商栄会。1948年(昭和23年)「鳩の街通り商栄会」、1999年(平成11年)「鳩の街通り商店街振興組合」となり現在に至っています。
水戸街道から墨堤通りまで約370m続く商店街で、お惣菜店、鮮魚店、美容室、カフェなど約30店が営業しています。戦火を逃れた街並みは、新しい建物、古い建物、リノベーションした個性的な建物が混在し、どこか不思議な風景。建物の隙間から東京スカイツリーが見える場所もあります。
5~6年ほど前までは少子高齢化の進むエリアとなっていましたが、新築の分譲マンションが建ち並ぶようになってきたせいもあって、最近は子どもの声も聞かれるようになってきました。商店街の通りは通学路にもなっているので、登下校時は商店の方々が子どもたちを見守っている光景が見られます。

 墨田区 鳩の街通り商店街振興組合  墨田区 鳩の街通り商店街振興組合

古い看板や細い路地がそのままになっているなど、いたるところに昭和時代の面影が残っている。芸術家や建築家にも人気が高い街。

「昭和30~40年代が最盛期で、商店の数も今までよりだいぶ多かったんです」と教えてくださったのは、今回お話をうかがった松橋前理事長。

空き店舗対策「創業支援施設チャレンジスポット!鈴木荘」の取り組み

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直営の「創業支援施設チャレンジスポット!鈴木荘」(中小企業庁「新・がんばる商店街77選」)の取り組みがスタートしたのは約15年前のこと。“空き店舗が目立つようになってきた商店街に、活気を取り戻したい”という松橋理事長(当時)の想いが形となった事業で、墨田区・商店街理事・さまざまな専門知識をもつ地元有志とともに作り上げたそうです。
これは、商店街にある鈴木荘という築古のアパート7室を振興組合が借り上げ、チャレンジショップとして割安で貸し出すという事業です。鈴木荘の物件オーナーとの交渉を経て、2008年2月に公募を開始。書類審査・面談を経て6組の入居が決まったそうです。以降テナントの変更はあったものの、10年目を迎えた今でもユニークな試みとして、取材を受けることも多いのだとか。
鈴木荘を借りる第一条件は、商店街の仕事をしたり、既存店の店主と積極的にコミュニケーションをとったりするというもの。「目的は商店街の活性化。家賃が安いからという理由で入居し、商店街活動にも参加しない…という場合はちょっと難しいですね」と松橋さん。現在は、自転車雑貨店、足つぼマッサージ、和小物販売店、オフィスなどが入居しています。

「創業支援施設チャレンジスポット!鈴木荘」の外観。店舗の改修工事は行ったが、看板は当時のまま。

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3店舗が並ぶ1階。自転車雑貨店「千輪」(ちりん)には、自転車の修理で訪れた女性と談笑する店主の姿が。下町の商店街ならではの接客風景に心が和む。

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鈴木荘から少し離れたところにある、昭和2年築の元薬局をリノベーションして開業した「古民家カフェこぐま」。鳩の街通り商店街の雰囲気が気に入って出店する店主も多い。

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鈴木荘以外の空き店舗対策として、墨田区と協働で商店街内の空き店舗改修を行い、店舗利用者を公募する100店プロジェクトを実施。古本屋「古書肆 右左堂」、ベトナム雑貨カフェ「ベト メーオ」などが開店。

学生とのコラボイベントも実施

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2017年12月に、美術系・工学系の4大学と共同して、商店街におけるライティングアートイベント「ハトナリオ」を実施。大学ごとに制作した照明デザインを街灯として設置することで、商店街の賑わいを創出するのを目的とした取り組みで、来訪者の投票によって大賞を決めたそうです。10月中旬から企画・検討をスタートさせたということで、その準備期間は1カ月半ほど。12月中、個性的でカラフルな照明が、鳩の街通り商店街を彩りました。
松橋さんに当時のことをお聞きすると「学生さんとのコラボは、孫を見守るような感じでしょうか。若い人たちの感性やアイデアは素晴らしいと思いました。机上の勉強も大切ですが、現場で起きたハプニングにどう対処するかを考えるというのは学校では経験できませんので、そういった場が提供できてよかったです。本当は毎年やりたいのですが、なかなか大変で…。1年おきにできれば理想的だなと思っています」とお話ししていただきました。

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「ハトナリオ」の活動記録がまとめられたパンフレットは武蔵野美術大学の学生が制作したもの。

大学移転による街の変化に期待

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2020年には「i専門職大学(仮称)」(旧曳舟中学校・旧西吾嬬小学校跡地)、2021年には「千葉大学 デザイン・建築スクール」(旧すみだ中小企業センターを活用)が、墨田区文花一丁目あたりに開設予定で、商店街周辺でも学生用の物件やアパート用地について業者から問い合わせが入ることもあるのだそうです。「大学ができる文花一丁目は東武スカイツリーラインの線路の向こう側で、ここから歩いたら20~25分ぐらいかかってしまいます。大学からこの商店街に買い物にきてくださいというのは難しいとは思いますが、学生さんがこの周辺に住んでくれたら買い物にもきてくれるでしょうし、何より街が活気づくのでいいと思います」と語ってくださいました。

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「レトロ好きな若者が建物や街の雰囲気を撮影していたり、外国人観光客がおでん屋でおでんを買って食べていたり、遊びにくる人が結構多い商店街なんですよ」と松橋さん。

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商店街イベント

春のベラボー市、鳩に願いを(七夕イベント)、鳩の街ジャズフェスティバル、ハトウィン(ハロウィンイベント)、ハトナリオ(ライティングアートイベント)など

入会メリット

ホームページへ店舗情報の掲載、各種イベントへの参加など

商店街情報

  • 商店街名 鳩の街通り商店街振興組合
  • アクセス 東武スカイツリーライン「曳舟」駅より徒歩約5分、区内循環バス停「鳩の街通り商店街入り口」より徒歩約3分ほか
  • 住所 墨田区東向島
  • TEL 090-3812-8860 (理事長 内田勝雄)
  • FAX
  • URL http://hatonomachi-doori.com/index.html

※掲載の情報は2018年11月時点のものです。